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INSIGHT

Trans Carrier号のプラスチックペレット流出事故に学ぶ / Learning from experience – The Trans Carrier nurdle spill (Japanese HTML)

Trans Carrier号のプラスチックペレット(nurdle)流出事故から2年近くがたちました。Gardにとっては初めての大規模なプラスチックペレット流出事故です。この事故を教訓に再発防止法を見いだすため、Gardは、事故や除去作業の関係者、第三者的立場の科学者やコンサルタントにお話を伺い、ポッドキャストで3回シリーズで配信しています。

こちらは、英文記事「Learning from experience – The Trans Carrier nurdle spill」(2022年1月17日付)の和訳です。

 

2020年2月、RoRo船のTrans Carrier号がノルウェーのスタヴァンゲル(Stavanger)に向けて航行中、デンマーク沖で荒天に遭遇。甲板上に積まれていたコンテナが動いて損傷し、積荷のプラスチックペレット13トンの多くが海に流出しました。ペレットは風と潮に流されて拡散し、オスロのフィヨルドに堆積しました。

 

ポッドキャストの3回シリーズの初回では、ゲストであるSea Trans社のGisle Rong氏とGardのOle Aasbøが、除去作業に携わった体験談を織り交ぜながら、事故後の状況について語っています。

 

Gard OnWatch · エピソード3 - Trans Carrier号のプラスチックペレット流出事故に学ぶ

 

第2回では、海洋汚染に関する国際的なコンサルティング団体である国際タンカー船主汚染防止連盟(ITOPF)のThomas Sturgeon氏と、海洋汚染に詳しいGardの専門家が、積荷の種類を問わず汚染事故が起きた後の除去作業に関するアドバイスを語っています。プラスチックペレットはプラスチック製品の成型材料となるもので、レンズ豆ほどの大きさと形です。Sturgeon氏は、プラスチックペレットは小さく除去費用が多額になるため、Trans Carrier号に関する除去作業の難しさを指摘しています。

 

Gard OnWatch · エピソード6 - Trans Carrier号のプラスチックペレット流出事故に学ぶPart 2

Gard OnWatch · エピソード3 - Trans Carrier号のプラスチックペレット流出事故に学ぶ

 

プラスチックペレットは石油化学会社で生産されたのち、プラスチック製品メーカーの元に運ばれます。Trans Carrier号はRoRo(ロールオン、ロールオフの略)船です。RoRo船でコンテナを運ぶ場合は、コンテナ船のようにセルの中に積み上げるのではなく、トラックのシャーシに載せた状態で運びます。

 

プラスチックペレットはコンテナ船で運ばれることが大半です。最大級のコンテナ船になると、その積載量は24,000TEU(20フィートコンテナ24,000本分)にもなります。火災や、荒天による荷崩れなどの事故が起きれば、ペレットが海に流出することにもなりかねません。ポッドキャスト第3回では、海洋汚染、海洋管理、沿岸開発が専門のノルウェーのコンサルティング会社、SALT社のBrita Staal氏とJoan Fabres氏をお招きし、プラスチックペレット流出による海洋汚染の範囲や、環境・社会への影響、流出防止に有効と思われる対策についてお話いただきました。

 

 

Gard OnWatch · エピソード7 - Trans Carrier号のプラスチックペレット流出事故に学ぶPart 3

 

 Trans Carrier号の事故は、Gardにとって初めてとなるプラスチックペレットの大規模な流出事故でした。ここから得た明確な教訓は「転ばぬ先の杖」です。プラスチックペレットメーカー各社は、ペレットの輸送・取扱に関するガイドライン『Operation Clean Sweep』を業界団体を通じて発行しています。こうしたガイドラインが巨大コンテナ船時代の海上輸送に適した内容になっているか? 流出事故を防ぐには任意の対策だけで十分なのか、それともプラスチックペレットに特化した規制も必要なのか? メーカー、海運会社、保険会社、規制当局を含め、関係者はこうした問題について議論を交わし、答えを出さなければなりません。早急の対応が望まれます。

 

ポッドキャストにご登場いただいたSeaTrans社、ITOPFSALT社に感謝申し上げます。

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