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救命艇フックの故障や誤解除は命取りになるおそれも / Failure or accidental release of the lifeboat hooks can be fatal (Japanese) (HTML)
救命艇フックの誤解除を防ぐにはまず、装置で故障しているおそれのある箇所を特定するところから始めましょう。
こちらは、英文記事「Failure or accidental release of the lifeboat hooks can be fatal.」(2021年6月10日付)の和訳です
救命艇は命を救うためのものですが、これまで、負荷離脱フックを搭載したダビット進水式救命艇の操練中や定期保守・検査中に深刻な事故が幾度も発生してきました。こうした事故は、乗組員の救命艇進水装置に対する信頼を損なうことにも繋がっています。
救命艇の事故の原因
救命艇の事故は様々な原因により発生します。その中でも特に多いのが以下のものです。
- 負荷離脱装置の故障
- 負荷離脱装置の誤操作
- 救命艇や進水装置の保守不足。保守対象の部品が手の届きにくい場所にあったケースも。
- 救命艇や負荷離脱装置に関する知識不足
- 負荷離脱・回収装置の操作手順が不明確
- 設計不良
上記の原因はそれぞれ、大まかに次の3つのいずれかに分類することができます。即ち、知識不足、操作手順の説明不備、そして設計不良です。設計不良に関しては、安全基準に適合しないフック装置の交換期限が2019年7月1日であったことから、現在は既に交換されているはずです。一方、装置に関する知識不足と操作手順の説明不備については、更なる対策の余地があります。まず、装置自体や、装置で故障しているおそれのある箇所に精通した乗組員を確保するという対策が考えられます。そのためには、検査・保守・操作などに関して部品メーカーのマニュアルに書かれた手順を乗組員が最後までよく読み、必要があればメーカーに直接問い合わせることが必要です。更に、退船操練中の安全性に関する国際海事機関(IMO)のガイドライン(MSC.1/Circ.1578)を安全管理手順に組み込むことも必要です。
Gardの出版物
ロス・プリベンション・ポスター – Lifeboats are not there to take lives(救命艇がなければ一巻の終わり)
A 20-year anniversary - The loss of lives in lifeboats with on-load release hook(救命艇の負荷離脱フック搭載義務化から20年 – 同装置での死亡事故について)
ケーススタディ:Lifeboat safety drills and maintenance(救命艇の安全操練と保守)
Presentations from the Gard Academy Conference on Lifeboat Hooks(救命艇フックに関するGardアカデミー会議のプレゼンテーション)