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(COVID-19の影響で延期されていた)パリMOUと東京MOUによる合同検査キャンペーンは、2021年9月1日に開始される予定であり、今回は復原力全般に重点が置かれます

こちらは、英文記事「Port state to focus on stability issues.」(2021年8月17日更新版)の和訳です。

  • 船舶と設備は、安全な運航とポートステートコントロール(PSC)検査の円滑な実施を確保するため、常に整備しておく必要があります。一方で、毎年の集中検査キャンペーン(CIC)のように、事前にアナウンスした上で重点を絞って実施されるPSC検査は、船会社や船員に事故の発生リスクや国際的な安全規制への不遵守リスクが高い特定の領域に目を向けさせる役割を果たしています。

     

    今回、東京MOUとパリMOUの合同CICで復原力全般が対象とされた背景には、不適切な積み付けや復原力に関する書類の不備など、重大な事案が複数発生したことがあるようです。CICは202191日から1130日まで実施され、本稿執筆時点で黒海、インド洋、地中海、リヤド、ビニャ・デル・マールの各MOUも参加が発表されています。

     

    例年どおり、CICはキャンペーン期間中に通常のPSC検査の追加項目として実施されます。その際、ポートステート検査官(PSCO)は、質問票を使ってCICに関連する具体的な項目を検証します。

     

    質問票は8つのチェックポイントで構成されており、船舶が関連するIMO規則の復原力要件に準拠していることを検証するだけでなく、船員が出港前に実際の復原力を評価することに習熟しているかを検証し、実際の復原力を計算することの重要性を周知することを目的としています。したがって、PSCOは以下の項目等に重点を置くものと思われます。

     

    • 船舶の復原力に関する文書(復原性ブックレット、ローディングマニュアルなど)、積付計算(積付用コンピューター、ソフトウェア、積付資料など)
    • 上記に対するオフィサーの習熟度
    • 復原力の計算が必要な緊急事態(座礁、浸水、貨物の移動による傾斜など)に対する会社の対応力

     

    Gardでは、復原力の喪失につながる可能性のある緊急事態に、陸上の組織、乗組員が設備面も含めて備えておくことの重要性を再確認する機会として、今回のCICを活用することを強くお勧めします。また、自動車船の運航者は、2021年6月3日付のGardアラート「Do not depart port without knowing the final cargo weight distribution(出港前には必ず貨物の重量配分の確認を)」にも目を通すようにしてください。

     

    関連情報

     

     

    各国のMOUのウェブサイトへのリンク