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プラスチックの海洋への排出は国際条約で明確に禁止されていますが、船上でのずさんな取り扱いや川下・陸上での不始末が原因で、プラスチックは依然として海に流れ込んでいます。              

こちらは、英文記事「Ensuring we will have more fish than plastic in the ocean.」(2021年6月17日付)の和訳です。

 

はじめに  

海に流れ込むプラスチックゴミの量は、毎年最大1,300万トンにものぼります。国連開発計画によると、これは、毎分ゴミ収集車1台分のゴミが海に排出されているのに等しい状況です。そして、海底で見つかるゴミの、実に89%がビニール袋などの使い捨て品です。プラスチックは海の中で何百年も漂い、海洋生物に大きな影響をもたらします。一度使っただけのペットボトルやビニール袋、プラスチックカップなどをこれまでと同様に海に排出し続ければ、2050年には、海の中は魚よりもプラスチックの方が多くなってしまうでしょう。

 

プラスチックは、MARPOL条約附属書Vで海洋排出が明確に禁止されているゴミの1つですが、船上におけるずさんな取り扱いや、川下・陸上での不始末が原因で、依然として海に流れ込んでしまっています。では、ゴミによる海洋汚染、とりわけプラスチックによる海洋汚染を防ぐために、運航者や船員はどうすればよいのでしょうか。

 

 

ゴミの発生源の削減は解決策になるか?

船主・管理会社は、発生するゴミのことを考慮しながら船用品を調達するようお願いします。すなわちゴミの発生源を減らす必要があるということです。こうすることで、船員、そして最終的には陸上のゴミ処理施設で管理・処理するゴミの量を減らすことに繋がるのです。実際、船舶のゴミ処理計画でも廃棄物の最小化が検討されていますが、これを実践している組織はごくわずかです。国際海事機関(IMO)が決議MEPC.295(71)で廃棄物最小化に関するガイダンスを出してはいるものの、MARPOL条約では廃棄物最小化戦略に基づく行動が明確に義務づけられていない状況です。

 

推奨事項

海洋プラスチックゴミは世界的な問題です。この問題を解決するには、業界の垣根を越えて一丸となって取り組むことが求められます。

 

プラスチックゴミの削減は、企業の一部門や本船だけで手に負えるような問題ではないため、組織全体がトップダウンで取り組まなければなりません。船主・管理会社においては、この問題に関する対応ポリシーを策定する必要があります。まず、自社船舶でのプラスチックゴミの排出量と、プラスチックゴミが特に多く排出される業務を調査するところから始めてください。ここでは船員からの意見が必要であり、またそれを歓迎しなければなりません。最後に、プラスチック包装の在り方などについて、船用品のサプライヤーとも話し合う必要があります。

 

ゴミの発生源を削減しようとする場合、まず注目すべきは、カトラリー(スプーンやフォーク等)や皿、ストロー、カップ、ボトル、袋、プラスチック包装などの使い捨て用品です。海を汚し、生き物を傷つけている主な原因となっているのが、この使い捨てプラスチックだからです。

 

他にも以下のような対策が考えられます。

 

  • 再利用やリサイクルが可能な包装・容器で納品してくれるサプライヤーを選ぶ
  • ゴミの増加を防ぐ意味から、(容器開封後の)適切な保存期間なども考えつつ、バルク包装で納品してくれるサプライヤーを選ぶ
  • プラスチックゴミが誤って船から流出してしまった場合に海に与える影響を船員に教えるなど、プラスチック用品を船積みした後の管理に気を配る

 

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