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現在Gardでは新しい画期的な取り組みとして、複数のメンバーが関係する紛争の解決をサポートするべく、非公式調停などの内部調停サービスと早期中立評価サービスを提供しています。このようなサービスを使うことで、紛争を和解に導き、今後の取引関係の継続につなげることができます。また、和解は時間と費用の節約にもなります。

こちらは、英文記事「Leveraging our expertise - Gard Mediation and Early Neutral Evaluation facilities for dispute resolution in conflict cases」(2021年4月15日付)の和訳です。

 

内部調停と非公式調停のメリット

調停とは紛争をスムーズに解決するための交渉のことで、当事者たちの任意による合意のもと中立の第三者を立て、和解達成と訴訟回避をサポートしてもらうものです。成功率は高く、事件の90パーセントが調停中や調停後すぐに和解に達しています。調停者はいずれかの側に肩入れするということはありません。あくまで、紛争の原因となっている問題を両当事者に理解してもらい、じっくり考えてもらうことが仕事です。

紛争の両当事者がGardのメンバーということもあります。例えば、船主と傭船者共にFD&D保険に加入しており、傭船料や滞船料に関して傭船契約上の紛争が起きる場合です。Gardでは、FD&D担当弁護士による各当事者の利益保護と機密保持を徹底した、しっかりとした紛争手続きを行っています。ほかにも、P&I海上保険などGardの各種保険商品が関係する紛争もあり、いずれかの紛争に複数のGardメンバーが関係している場合もあります。

複数のGardメンバーが関係している紛争の場合、Gardが介入することで大抵はクレームをスムーズかつ効率的に解決に導くことができますが、決して100パーセントではありません。中には、それぞれのクレーム担当者同士で内々に話し合うことができなかったり、話し合いだけではうまくいかないケースもあります。

これまでGardは、メンバーの皆さまと一緒に、調停サービスをうまく活用してきました。調停サービスは通常、弁護士や民間の専門家が提供しており、その場合、正式な調停手続きは外部の弁護士を両当事者の代理人に立てて行われます。ただ、このような調停サービスは費用がかかります。それなら、Gard内部で培ったノウハウを活かし、メンバーに負担をかけずに内部で調停を行った方がいいのではないか? こうした思いから、Gard調停手続きと内部調停委員会による調停サービスを実現しました。

調停は任意であり、このサービスを利用するか否かの決定権は紛争当事者であるメンバーにあります。今回の新しいプログラムでは、非公式調停、公式調停、またはその併用の3つの選択肢から選ぶことができます。このように柔軟に選べるようにすることで、Gard調停者はそれぞれの事件のニーズにしっかりと沿ったサービスを提供でき、関係者全員が満足のいく結果を速やかに導き出すことができるのです。幅広い経験と専門知識を備えた調停委員は、マスターマリナーや海損精算人、さまざまな法域で資格を取った弁護士らからなり、その多くが認定調停者でもあります。

Gard調停はまず、当事者である両者のクレーム担当者/メンバーが共同でGard調停者を指名するところから始まります。共同で指名しないときは、まず片方がGard調停委員会から調停者を単独で指名して非公式調停を開始することもできます。その場合、指名された調停者が相手側当事者に連絡を取り、調停手続きに応じるかを確認します。双方が共同で調停を始める意思があっても、誰を調停者にするかで折り合いが付かない場合は、Gardのリーダーシップチームのメンバーが代わりに調停者の選定を行うことも可能です。

外部の調停サービスと同様、Gardの調停者も法的な意見を述べることはありません。調停の目的は、訴訟になったらどのような結果になるのかを考えることではないからです。紛争を解決することで時間の浪費やお金のかかる訴訟を避けたいという両当事者の願いを受けて、あくまでスムーズな和解を実現することが目的なのです。そのためには柔軟性が重要となるため、メンバーが何を望んでいるのか、紛争をどのような形で解決したいのか、それに応じて手続きの草案が作られます。

 

Gardの早期中立評価(ENE)サービス

Gardでは、訴訟や仲裁になった場合の法的評価を知りたいということで両当事者の話がまとまった場合に、内部で早期中立評価(ENE)も行っています。紛争の早期解決を目指した公正な手続きです。もし仲裁や裁判になったら、この紛争もしくは紛争の特定の箇所についてどのような裁定・判決が下されるのか、中立な立場の評価者に法的見解を示してもらいます。評価者は、Gard内部の中立評価委員の中から両当事者が合同で指名します。評価自体は、両当事者が別途書面で明示的に合意し

ない限り、法的拘束力はありません。最終的な解決を阻んでいる重要な相違点があるような紛争に適したサービスです。リスク評価に役立ち、それぞれのケースにふさわしい解決に向けた議論を促す効果があります。

 

紛争時には、Gard内部で行う紛争解決手続きをぜひお試しを

内部調停、早期介入、中立評価。これらの新しい手続きは、複数のGardメンバーが関係する紛争を必ずやスムーズに解決してくれるでしょう。時間も費用もかかるうえに激しい議論の応酬が行われる裁判を避け、取引関係を維持するべく、ぜひとも話し合いで解決しましょう。