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202131日、長江流域における様々な毒性の高い危険な化学品の輸送を禁止する中国の新たな環境法が施行されました。同法に違反した場合は、多額の罰金が科せられる可能性があります。長江地域を航行する船舶運航者は、適切なデューディリジェンスを実施し、輸送する貨物が輸送禁止化学物質リストに含まれていないかどうかを確認する必要があります。

こちらは、英文記事「China’s Yangtze River Protection Law is now in force」(2021年4月8日付)の 和訳です。

 

長江流域の生態環境の保護と回復を強化することを目的とする「長江保護法」が2021年3月1日に施行されました。同日以降、長江流域で劇毒化学品および関連規制により内陸水路での輸送が禁止されているその他の危険化学品の輸送が禁止されます。違反した企業は不法所得を没収され、20万元(約30,600米ドル)以上200万元(約306,000米ドル)以下の罰金が科せられることになります。

上海海事安全局(MSA)は、2021年2月18日、長江保護法の施行に関する詳細を示した通知を発行しました。同通知には、禁止対象となる化学品が「中国危険化学品目録」(2015年版、中国語版はこちら)の備考欄に「highly toxic(劇毒)」と記載されている化学品と「内陸河川禁輸危険化学品目録」(2019年版、中国語版はこちら)に記載されている化学品であると明示されています。「内陸河川禁輸危険化学品目録」には、パッケージの状況に関係なく、輸送が禁止されている228種類の化学品と、ばら積みでの輸送は禁止されているものの、スチールシリンダー、ポータブルタンク、コンテナなどのパッケージ輸送が許可された85種類の化学品が含まれています。なお、MSAは、個々の化学物質に固有の識別番号であるCAS番号を使用して、禁止貨物を識別します。

2021年2月18日付のMSAによる通知の翻訳版(無償)がGardコレスポンデントのHuatai Insurance Agencyの2021年3月24日付サーキュラーでご覧いただけます。同サーキュラーには、長江保護法で禁止されている貨物、禁止水域の範囲、コンプライアンス確保のために船舶運航者が実施すべき対策に関する詳細なガイダンスとアドバイスが記載されています。また、上述の「中国危険化学品目録」(2015年版)と、「内陸河川禁輸危険化学品目録」(2019年版)の翻訳版(無償)を含む参考情報がOasis P&I Servicesの2021年3月9日付サーキュラーでご覧いただけます。

 

推奨事項

コレスポンデントによると、長江保護法の施行は、同地域における通常の貨物輸送を妨げるものではないとのことです。とは言え、長江流域で禁止貨物を輸送した場合は、多額の罰金が科せられる可能性があるため、長江流域を航行する船舶運航者は、施行された新しい要件をしっかりと把握し、貨物のブッキングを受け付ける際は現地の船舶代理店と連絡を取り、適切なデューディリジェンスを実施し、輸送する化学物質が禁止化学物質リストに含まれていないかどうかを確認するようにしてください。

コレスポンデントからの以下の推奨事項にご留意ください。

  • 長江流域で輸送される化学物質の貨物のブッキングを受け付ける前に、荷送人または依頼人にCAS番号、UN番号、税関コード、技術仕様書などを含む正確な貨物情報を提出するように要請してください。
  • 輸送前に化学品の性質が明確でない場合、特に当該貨物が化学混合物である場合は、資格を持つ第三者専門家に助言を求めるか、現地のMSAに連絡を取り、貨物の検証を受けるようにしてください。
  • 見知らぬ会社や小規模な会社からのブッキングを受け付ける場合は注意が必要です。ブッキングを受け付ける前に、信頼できる機関が発行した適切な補償状(LOI)を提出するよう荷送人に要請することを検討してください。

 

本アラートは、GardのコレスポンデントであるHuatai Insurance Agency and Consultant Service Ltd.およびOasis P&I Servicesからの情報に基づいて作成したものです。