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ニュージーランドとオーストラリアは、9月からクサギカメムシのリスクシーズンに入ります。2020年は「クサギカメムシのリスクのある国」のリストにカザフスタン、モルドバ、ポルトガル、ウクライナが追加されました。

こちらは、英文記事「The stink bug season is here!」(2020年9月23日付)の和訳です。

本稿は2019年発行のアラート記事の更新情報です。

 

欧州と北米全域にクサギカメムシ(略称 BMSB/学名 Halyomorpha halys)が急速に拡大したことを受け、オーストラリアニュージーランドは、2020-2021 年のクサギカメムシのリスクシーズンを前に、バイオセキュリティに関する要求事項と季節対策を改定しました。

 

この規制上の要求事項は、主に財・商品の輸入者を対象としており、特定の種類の貨物についてはオーストラリアやニュージーランドに到着する前に適切に処置し、その証明を取得する責任は輸入者にあるとしています。しかし、クサギカメムシに汚染された船舶は両国への入港を拒否される場合があるため、船舶運航者と船員は該当するクサギカメムシの季節対策を熟知しておくことが重要です。 船員は、船内にクサギカメムシや他の外来虫がいないか常に用心し、発見した場合は、入港地の関連検疫当局に報告しなければなりません。

 

オーストラリアの農業水資源省[DAWE]ニュージーランドの第一次産業省[MPI]のクサギカメムシ対策に関するウェブサイトで、各貨物に関する説明や求められる処置について最新情報を確認することを推奨します。

 

クサギカメムシ対策の枠組みは、基本的には昨シーズンと同様ですが、以下の点にご注意ください。

 

 

 

 

  • 「クサギカメムシのリスクのある国」のリストに新たに4カ国が追加され、合計37カ国となりました。

クサギカメムシのリスクのある国2020-2021年シーズン 

アルバニア

ドイツ

北マケドニア共和国

アンドラ

ギリシャ

ルーマニア

アルメニア

ハンガリー

ロシア

オーストリア

イタリア

セルビア

アゼルバイジャン

日本

スロバキア

ベルギー

カザフスタン

スロベニア

ボスニア・ヘルツェゴビナ

コソボ

スペイン

ブルガリア

リヒテンシュタイン

スイス

カナダ

ルクセンブルク

トルコ

クロアチア

モルドバ

ウクライナ

チェコ共和国

モンテネグロ

米国

フランス

オランダ

 

ジョージア

ポルトガル

 

 

 

  • オーストラリア当局は、ベラルーシデンマークアイルランドポーランドスウェーデン英国チリを「クサギカメムシのリスクが上昇中の国」と特定し、2020-2021 年シーズン中、これらの国からの貨物に対する陸上での抜き取り検査を行う場合があることも発表しています。
  • クサギカメムシのリスクのある国で積み替えられた貨物についても、季節対策の対象となる場合があります。さらに、オーストラリア当局はクサギカメムシのリスクのある国で停泊、積み込み、積み替えを行ったすべてのRO-RO 船を引き続き特別警戒対象としています。
  • 両国の気候条件の違いから、カメムシのリスクシーズンは、オーストラリアの方がニュージーランドより1 カ月長くなります。
    • オーストラリア:2020年9月1日~2021531
    • ニュージーランド:2020年9月1日~2021430
  • 両国は、可能な限り、緊密に連携して両国の季節対策を一貫性のあるものにしていく意向を持つものの、相手国に代わってクサギカメムシの処置を実施することはありません。例えば、ニュージーランドから輸出された貨物がクサギカメムシに関するオーストラリアの輸入基準を満たしていない場合、それをオーストラリア国内で処置することは認められません。その逆も同様です。
  • 船長と船舶代理店は、昆虫を発見した場合には入港前報告においてすべて報告する義務があることを再認識してください。

 

船内で発見された昆虫がクサギカメムシかどうか分からない場合、こちらを参照してください。

 

クサギカメムシが問題となる理由

クサギカメムシは、果物や野菜作物を食べ、深刻な被害をもたらす農業害虫です。この害虫は、原産地の東アジアから生息域を広げ、北米や欧州にも個体群が定着しています。しかし、オーストラリアとニュージーランドにはまだ定着していません。この害虫がニュージーランドまたはオーストラリアに侵入すれば、両国の農業経済や独特の環境に深刻な悪影響をもたらす可能性があります。

 

アジア型マイマイガと同様、クサギカメムシは、国際貿易の船によって持ち込まれる「ヒッチハイカー害虫」とみなされています。クサギカメムシの成虫は、冬季に寒気から逃れようとして、車輛、機械等の貨物に入り込む傾向があります。