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簡易マニュアル集「ブリッジカード」は、ハイリスク海域を航行する船舶の船長・乗組員を対象とした安全備忘録で、特に、海賊行為など船舶の安全に脅威が差し迫った場合に役立ちます。

こちらは、英文記事「‘Bridge Cards’ for use in high-risk areas」(2021年2月10日付)の和訳です。

2021年1月7日付のAlert「ペルシャ湾航行時の海上セキュリティに関する推奨事項」でも取り上げましたが、ペルシャ湾、オマーン湾、アデン湾、紅海では、軍事行動が活発になり政治的緊張が高まっていることで、商船が依然として深刻な脅威にさらされています。また、ギニア湾では海賊行為が増えており、2020年にこの海域で誘拐された乗組員の数は過去最悪を記録しました。事件はこれまでよりさらに沖合でも起こるようになっており、手口もますます激しさを増しています。詳しくは、2021年1月28日付のAlert「2020年も海賊警戒区域で事件が相次ぎました」をご覧ください。

このように船舶の安全が依然として脅威にさらされていることを受けて、以下のような簡易マニュアル集「ブリッジカード」が発行されました。

  • IMSCブリッジカード:ペルシャ湾、オマーン湾、アデン湾、紅海を航行する船舶向けに、国際海洋安全保障構成体(IMSC)が作成したブリッジカード集です。既存の業界ガイダンスやベストマネージメントプラクティス第5版(BMP5)の補足版として作成され、中東地域での浮遊型機雷や吸着型機雷がもたらすリスクの高まりに対処するため、2021年2月に内容が更新されました。また、IMSCパンフレットも役立つでしょう。

ブリッジカードは、海賊行為など船舶の安全に脅威が差し迫った際に乗組員の拠り所となることを趣旨とした簡易マニュアルガイドです。報告手順や地域別報告機関の連絡先、不審な接近や攻撃の早期発見方法、船舶に危険をもたらす各種状況に対処する際の推奨事項など、大切な情報が端的かつ明確に理解しやすい形で紹介されています。船舶独自の保安計画やBMP、セキュリティ海図に記載の情報を補足するもので、ハイリスク海域を航行する際に船長・乗組員の安全備忘録として役立つでしょう。運航会社ならびに船長の皆様におかれましては、本船が危険な状態に陥った際には、先にご紹介したブリッジカードの指示を念頭に置いて行動することを推奨いたします。

 

その他の情報

Maritime Global Securityのウェブサイト(www.maritimeglobalsecurity.org)では、BMPのほか、地域別・脅威別のガイダンスなど、業界発行のベストプラクティスを紹介しています。また、Gardの「海上での海賊行為と武装強盗や「イエメン - 港湾の状況についてのページにも関連情報を記載しています。