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2020年最後のInsightでは、Senior Loss Prevention ExecutiveであるJarle Fosenが先週、自律運航を目的に作られた世界初の完全電動式コンテナ船、「Yara Birkeland」号を訪れた際の貴重な模様をお伝えします。明るい話題で1年を締めくくりたいと思います。皆様どうかお体にお気をつけて穏やかな年末年始をお過ごしください。そして、よいお年をお迎えください。

こちらは、英文記事「Another step towards a zero-emission future」(2020年12月21日付)の和訳です。

12月17日、私と同僚らはYara Birkeland号に招かれて胸が高鳴っていました。Yara Birkeland号は世界初の完全電動式でゼロエミッションのコンテナ船です。ポルスグルン(Porsgrunn)を船籍港とし、11月にYara Norge ASに引き渡されました。訪船時、本船はポルスグルンからホルテン(Horten)にある自律航行船試験海域までバッテリーのみで運航した処女航海を終えた直後でした。

 

濃霧の立ちこめる朝、私たちはホルテンにある旧ノルウェー海軍造船所に到着しました。港の中に入ると、霧の向こうから、鮮やかな青い色をした最新のYara Birkeland号が浮かび上がってきました。そして、その背後には白いChristian Radich号もぼんやりと見えました(Christian Radich号は、若き船乗りたちを乗せて訓練を行うため1937年に建造された帆船です)。ノルウェー船の新旧世代が居合わせた貴重な場面でした。この温室効果ガスを排出せずに航海が可能な両船を隔てていたのは、50メートルほどの距離と、80年分の技術・イノベーションでした。

 

Yara Birkeland号が建造されたのは、袋詰め肥料をコンテナで海上輸送することで、Yara社の工場からブレビック(Brevik)にあるコンテナターミナルまでの年間4万台分のトラック輸送を削減するためです。これによって交通事故も少なくなり、完全電動運航の状態でなくても、この地域での汚染物質や温室効果ガスの排出を大幅に削減できるようになります。

 

Yara Birkeland号プロジェクトのマネージャーであるJostein Braaten氏は、本船見学に訪れた私たちを温かく迎えてくださいました。貨物を満載した120本のコンテナを積んでの初めての航海、初めての試験が無事成功したことを確かめて満足しているご様子でした。訪船したのは、Bergvall Marine社の保険ブローカーの方々、そしてGardからは私の他にSenior UnderwriterのSteinar Jørgensen、Senior Claims AdviserのKarl Petter Muhlbradtです。本船には現在乗組員が数名乗っていますが、ブリッジはモジュール式となっており、本船が自律運航できるようになりその旨が認証された際には撤去できるように設計されています。

 

ホルテン一帯は、ノルウェー沿岸管理局によって国の自律運航船試験区域に指定されています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で思うようには進んではいませんが、Kongsberg Maritime社とYara社は、本船が商用運航を始める前に、両社の全パートナー、大学・研究機関に自律技術・システムの総合試験を行ってもらうことを目指しています。

 

Yara Birkeland号のP&I保険ならびに船体保険の保険者として、少しばかりではありますがこのプロジェクトに携わることができ光栄に思っています。今回このような画期的な船を見学する機会をくださったYara Norge ASならびにプロジェクトマネージャーのJostein Braaten氏に感謝申し上げます(見学の際はマスクをしっかり着用し、ソーシャルディスタンスを十分に確保しました)。私たちが基本理念として掲げる「Together we enable sustainable maritime development(海運事業の持続可能な発展を共に実現する)」のように、来年も本船の自律航行実現に向けてのさらなる進展があることを期待しています。