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業界団体は、ペルシャ湾、オマーン湾、アデン湾、紅海を航行する船舶運航者と船員に警戒を続け、軍からの警告に常に耳を傾けるよう注意を促しています。

こちらは、英文記事「Maritime security recommendations for operations in the Persian Gulf

(2021年1月7日付)の和訳です。

2021年1月5日、Round Table of Industry Associations(業界団体の円卓会議)OCIMF(石油会社国際海事評議会)は、ペルシャ湾(アラビア湾)、オマーン湾、アデン湾、紅海を航行する船舶向けの推奨リスク低減対策を共同で発表しました。今回の発表は、2020年12月31日に発生した事件を受けて行われたものです(同事件は、リベリア船籍のタンカーがイラク沖で船舶間貨物油積替作業中に船体に不審物を取り付けられたもので、後に吸着型機雷であったことが報告されています)。いつどこで何者によって船体に機雷が仕掛けられたかは明らかになっていません。なお、機雷はイラク当局者により無事撤去されたことが報告されています。

この事件後に業界団体から出された「Industry Guidance」の概要は以下のとおりです。

 

リスク低減対策

船舶運航者は、「ベストマネージメントプラクティス第5版(BMP5)」の再確認を行い、以下のガイダンスを上記地域を航行する本船に伝達することを検討するよう推奨されています。

  • 過去に事件が発生した地域や脅威の状況に変化が見られる地域に入域する前に、船舶や航海に固有の脅威リスク評価を実施すること。
  • リスク評価後、船舶保安計画の見直しを行うこと。
  • 海賊行為以外の脅威の概要を記載した、BMP5のセクション2を再確認すること。
  • 最大限の注意をもって船橋からの監視を続けること。夜間は、航跡が残らない低速の小型船はレーダーでは発見が難しい。
  • 通信を厳しく監視し、接近してくるすべての船舶との通信を確立すること。小型船が接近したり並走したりしないようにすること。夜間はサーチライトを使用して対象を確認すること。
  • 乗船管理を徹底すること。
  • ギャングウェイやラダーは必要な場合にだけ下すこと。
  • 可能であれば船外照明を特に船尾部分に監視の妨げにならないように設置し、できればサーチライトを設置・利用すること。
  • 疑わしい行為や不審物を発見したら直ちに港湾とUKMTO(英国海軍商船隊司令部)の両方に電話で報告すること。同地域での報告に関する詳細は「Reporting Guidance」を参照すること。
  • VHFとその他の通信チャネルをモニターすること。
  • 消火装置がすべてすぐに使用できる状態であるかチェックすること。メンテナンス中の場合 は、緊急用の消火ポンプが使用できる状態かどうかをチェックすること。
  • 船舶自動識別装置(AIS)を常に作動させること。直前の寄港地や次の寄港地を示すフィールドは入力不要。
  • 外板の状態を目視確認すること。
  • 船体に付着しているものがないか、甲板から船体全体を目視で確認すること。特に喫水線部分を念入りに確認すること。
  • 定期的に巡回を行い、上甲板を点検すること。
  • 船体に不審物が付着しているのを発見した場合、船長は直ちにUKMTOと旗国に連絡すること。乗組員全員を隣接区域から避難させ、安全な場所に集合させること。不審物は撤去しようとせず、軍当局の助言に従うこと。

停泊中に不審な活動を発見した場合は、以下の追加措置を検討する必要があります。

  • プロペラを連続あるいは短く不規則な間隔で回転させる。
  • バウスラスターとスターンスラスターを無推力で不規則な間隔で作動させる。
  • 頻繁に舵を回す。
  • エコーサウンダーのスイッチを入れて音波を発生させ、スイマーやダイバーなどの存在を確認する。

その他の情報は、Maritime Global Security のウェブサイト(https://www.maritimeglobalsecurity.org/)の「Red Sea, Gulf of Aden, Somali Basin, Arabian Sea(紅海、アデン湾、ソマリア沖、アラビア海)」セクションからダウンロードできます。また、2020年12月21日付のGardアラート「米海事局、紅海・アデン湾の治安警告を更新」もご参照ください。