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イエメン内戦により、紅海南部・バブエルマンデブ海峡・アデン湾を航行する商船は依然として危険な状態にさらされています。

こちらは、英文記事「US MARAD updates its Red Sea/Gulf of Aden security warning」(2020年12月21日付)の和訳です。

2020年12月14日、米海事局(MARAD)は、紅海・アデン湾・アラビア海・インド洋を航行する米国船籍の商船に対して新たな勧告(2020-017)を発令しました。イエメン内戦により商船が依然として危険な状態にさらされていることを警告するとともに、脅威の種類が、ミサイルやロケット弾、発射体、機雷、小型兵器、無人機、無人水上艇、海上即席爆発装置など多岐にわたる可能性を指摘しています。また、アデン湾・アラビア海西部・西インド洋での海賊の危険性についても警告しています。

 

さらに同局は、同海域を航行する船舶に対して、安全対策を確認し、船舶自動認識装置(AIS)の常時使用(SOLAS条約で定められた特別な事情を除く)とVHFチャンネル16の聴守を徹底するよう呼びかけているほか、以下の行動も推奨しています。

 

  • 航海前のリスク評価を行い、適切な防御対策を本船の警備計画の中に盛り込むこと。業界で発行しているベストマネージメントプラクティス第5版(BMP5)などのガイダンスに記載されているアドバイスに従うこと。
  • イエメン国内の港への入港やその付近の航行は避けること。イエメン領海内や、イエメンの北にある紅海上のサウジアラビア領海内に入る場合は、十分に注意すること。
  • 錨泊中、または操船が制限されるような環境下や低速で航行しているときは、特に警戒を怠らないこと。
  • BMP5に従い、英国海軍商船隊司令部(UKMTO)との連絡体制を築き、常に連絡を取ること。事件に遭遇した場合、または事件に遭遇しそうな場合は速やかに報告すること。
  • 連合海軍部隊からのVHFによる呼びかけにすべて応答すること。

 

MARADと同様、国際海事局海賊情報センター(IMB PRC)も船長と船主に対して、BMP5にある手順に従って本船の登録・報告を行うとともに、紅海・アデン湾・ソマリア沖・アラビア海・インド洋のハイリスクエリアに入る前に本船の警備態勢を徹底するよう呼びかけています。これらの海域を航行する際は、目視・レーダーによる監視を24時間体制で行うことが不可欠です。同地域に出ている勧告や警告内容を覚えておけば、本船に接近してくる小舟を早めに発見した場合に正確に見極めることが可能となり、船長や民間武装警備員(PCASP)はその情報を基にそのような小型のボートやダウ船、漁船との距離を保つか、それとも場合によっては回避行動を取って応援を頼むかの判断を下すことができます。また、IMB PRCは船長に対して、同海域の漁師は自分の漁網を守ろうとして商船に激しく接近してくる場合があり、中には自分が捕えた魚を奪われないように武装している人もいるため、海賊と間違えないように注意するよう呼びかけています。

 

詳しい情報やアドバイスについては、GardHot Topicページの「海上での海賊行為と武装強盗」や「イエメン - 港湾の状況について」も参照してください。