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国際P&Iグループは、各海運業界団体の協力を得て、ギニア湾を含む西アフリカ沖での海賊行為の抑止と海上警備の強化のためのベストマネジメントプラクティス(BMP)西アフリカ版を発行しました。

こちらは、英文記事「Best Management Practices West Africa」(2020年4月2日付)の和訳です。

最近発行されたこの「ベストマネジメントプラクティス(BMP)西アフリカは、既存のBMPシリーズに新たに追加されたものであり、海上における海賊行為や武装強盗にかかる脅威を軽減するための指針を提供しています。BMP西アフリカは、既存の指針をベースに、そこに西アフリカ地域を航行する船舶が遭遇した経験を反映させ、ギニア湾地域を航行する運航者と船長の航海計画策定を支援するとともに、攻撃を発見・抑止・遅延させ、報告を促すことを目的としています。

 

BMP 西アフリカ は以下のウェブサイトから無料でダウンロードできます。

https://www.maritimeglobalsecurity.org/geography/gulf-of-guinea/

 

BMPの基本的な要件

BMP西アフリカで求められる基本要件は次のとおりです。

  1. 地域の脅威を理解する。
  2. 船舶固有の脅威・リスク評価を事前に実施し、適切な船舶防護策(SPM)を確認する。
  3. 船舶防護策(船舶の堅牢化、船員への説明・訓練、見張りの強化、旗国と海軍のガイダンスに従う)を実施する。
  4. 任意報告海域(VRA)に入域する際に、ギニア湾の海洋状況把握機構(Maritime Domain Awareness for Trade – Gulf of Guinea [MDAT-GoG])に登録し、VRAを航行中、船舶の状況に関する日次レポートをMDAT-GoGに提供する。
  5. 攻撃の前後や攻撃時に、必要に応じて、地域の他船、海運、法執行機関、支援機関と協力する。

 

また、BMPでは適切な見張りが最も効果的な防護策であることが指摘されています。不審な接近や襲撃の早期発見に役立ち、それにより防御が可能になります。

ギニア湾 - 世界で最も危険な海賊警戒地域

 

ギニア湾が同地域を航行する乗組員と船舶の安全・警備に対する重大かつ差し迫った脅威を呈していることは間違いありません。国際海事局海賊情報センター(IMB Piracy Reporting Centre)の統計によると、2015年から2019年までの5年間で、ギニア湾地域の海賊行為・武装強盗の発生総数は2倍に増え、誘拐事件に巻き込まれた乗組員の数も同期間で6倍に増加しています。また、2019年に発生した4隻の船舶に対するハイジャック事件のすべてと、11隻に対する銃撃事件のうち10件は同地域で発生しています。詳細は、2020年1月24日付Gardアラート「2019年に起きた海上での海賊行為と武装強盗」をご覧ください。

 

海賊行為が多発している海域を通航する際は、海運業界のベストプラクティスに従わないと、重大な結果を招くおそれがあります。

 

 注:今回新たに発行されたBMP西アフリカは、「Guidelines for Owners, Operators and Masters for protection against piracy and armed robbery in the Gulf of Guinea region(船主・運航者・船長向けのギニア湾海域における海賊行為防衛対策ガイドライン)」第3版に代わるものです