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ブラジル、船員の入国管理規制を強化 / Stricter immigration controls for seafarers entering Brazil now in force (JP)

こちらは、英文記事「Stricter immigration controls for seafarers entering Brazil now in force」(2023年5月25日付)の和訳です。

 

ブラジルでは、国際労働機関(ILO)条約第185号が批准されたことを受けて、同条約の加盟国が発行した船員身分証明書のみが、ビザが免除となる有効な渡航書類として認められます。

この新しい入国管理規制についてすでに多数の問合せをいただいており、なかには規則違反による罰金を科された船舶も出ています。強制送還通告や罰金の対象とならないよう、ブラジル諸港に寄港する際には、新しい規則を十分に理解しておくことをお勧めします。

 

船員に対する入国管理規制の強化

 

ブラジル入国管理局(連邦警察)は以前、主にILO条約第108号(C108)に基づいて発行された船員手帳(Seaman’s book、Seafarer Discharge BookまたはSeaman’s Service Book)を有効な船員身分証明書(SID)として認め、この手帳のみで一時ビザを免除していました。しかし、ILO条約第185号(C185)を批准した結果、C108が自動的に破棄されることとなりました。これにより現在、船員がブラジルに入国する際は、国籍にかかわらずILO C185加盟国が発行したSIDのみが、ビザが免除される法的に有効な渡航書類となっています。したがって、ILO C185 SIDもしくは有効なビザ付きパスポートがない場合には、船員交代の許可が下りなくなります。

 

2020年発行のAlertで、船員のブラジル入国に関する新たな入国管理についてご案内しています。

 

現地コレスポンデントのProinde社が先日発行したサーキュラーにもありますが、新型コロナウイルスの流行、また海上労働問題に関するILOの決議を受けて、連邦警察は入国管理規制を緩和し、C108 SIDを引き続き有効とする猶予期間を設けていました。しかし202351日より、船舶または航空機で入国するすべての船員はILO C185 SIDを所持することが義務づけられます。国籍を有する国で同条約が批准されていない、または自身が現在のSIDを更新していないことを理由にILO C185 SIDを所持していない船員については、パスポートを所持していれば入国することができます。その場合、ビザの要否は船員の国籍によって変わってきます。ブラジル外務省のウェブサイトにビザ要件を記載した表が掲載されていますので、短期訪問ビザ(VIVIS)の要否をご確認ください。

 

ブラジルと二国間協定を締結している国々

 

中国人船員に関しては、同国がILO C185を批准していないため、入国する際は訪問ビザ付きのパスポートの提示が必要です。ただし、ブラジルは中国と海上輸送協定(Decree 85,314/1980)を結んでおり、この協定が、いずれかの国籍を有する船舶、またはいずれかの国の企業に傭船されている船舶についても適用されます。この協定により、国が発行した書類(中国の場合は「Seafarer’s Passport」)を所持している船員は、救急医療が必要な場合に下船することができます。ただし、停泊港のある町から出ることはできません。例えば、中国人船員が乗っている中国籍船がイタグアイ港に入港した場合、上陸することはできますが、飛行機に乗るためにリオデジャネイロに移動することはできません。同じく、在ブラジル領事館でビザを取得しない限りは、空路でリオデジャネイロに入り、そこからイタグアイに移動することもできません。

旗国の中には現在、船員に関する二国間協定の締結についてブラジル当局と話し合いを進めているところもあるようです。しかし、締結されたとしても、国籍にかかわらずすべての船員に適用されるかはまだ分かりません。

 

違反した場合の罰則

 

ILO C185 SIDまたは訪問ビザ付きパスポートを所持していない場合、連邦政策により1,000レアル(約200米ドル)~1万レアル(約2,000米ドル)の罰金が科されるおそれがあります。罰金額は通常1人約1,000レアルですが、極端な場合、有効な渡航書類を所持していない船員に対して送還命令が出されることもあります。また、違反を繰り返すと罰金額が跳ね上がるおそれもあります。

 

推奨事項

 

発表されている情報に基づき、以下のことを推奨いたします。

 

  • ILO C185批准国の船員がブラジルに寄港する船舶に乗船予定がある場合は、乗船契約を結ぶ前に、ILO C185 SIDを申請してください。
  • 旗国がILO C185加盟国であるかを問わず、船員は、旗国当局が発行した有効な船員身分証明書の原本を必ず所持してください。
  • 現地船舶代理店と常に連絡を取り合うようにしてください。

 

 

Alertは、ブラジルの現地コレスポンデントRepresentacoes Proinde Ltdaからの情報に基づいて作成したものです。

 

 

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