202094日更新

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、ここ数十年で最大の地球規模にわたる衝撃的な出来事と言われています。数十万の命が失われ、世界経済は1930年代以降最悪の恐慌状態に直面することになりましょう。世界貿易の約90パーセントを担う国際海運業界も例外なく重大な影響を受けています。

こちらは、英文記事「Topic: COVID-19」(2020年9月4日付更新)の和訳です。 

今、海運業界を始め社会全体が厳しい局面にあります。国際貿易に携わる船員は、新型コロナウイルスに感染するリスクにさらされ続けています。また、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大を防ぐために一部の国で実施されている対策の影響で、船の運航と船員に深刻な影響が及んでいます。パンデミックによる渡航制限のために船員交代が難しくなっています。陸上での治療が必要な船員を乗せた本船の入港が拒否され、治療を受けることが難しくなっています。サプライチェーンは乱れ、人員不足とソーシャルディスタンスは港湾や造船所の作業遅延を引き起こしています。そして何よりも、悪意のあるサイバー攻撃者は進行中の危機を利用しているようです。

そこで、運航者、船長、船員が、警戒をもって新型コロナウイルス感染症の流行に備え、対応するのに役立つ関連サイト及びガイドライン、またGardのロスプリベンション発行物へのリンクを以下のとおりまとめました。

なお、Gardは、新型コロナウイルスによるパンデミックに関し、WHOやIMO (国際海事機関)、旗国、その他の専門機関が発表した見解と勧告を指針としています。状況の進展次第で感染拡大の防止・軽減に向けた勧告や対策が変更される可能性が考えられることから、メンバー各位には引き続き警戒いただくことを推奨します。

全般的な情報とアドバイス

新型コロナウイルス感染症の発生状況に関する最新の公式情報及びアドバイスにつきましては、以下の機関の専用ウェブサイトを参照いただくことをお勧めします。

地理的な情報とアドバイス

運航者と船長には、寄港前に十分な余裕をもって、現地の港湾当局、船舶代理店から、実施中の規制、予防措置に関するアドバイスを求めることを強くお勧めしますが、状況の判断には、以下の情報源も参考になるかもしれません。

 

IMOからの情報

IMOは、IMO加盟国や船員、海運業向けのアドバイスを掲載した新型コロナウイルス専用ウェブサイト「Coronavirus disease (COVID-19) pandemic(コロナウイルス・パンデミック)」を開設しました。

世界中の政府による渡航制限は船員交代及び送還への大きな障害となっており、人道的危機の高まりと船員をはじめとする海運全般の安全に対する大きな懸念につながっています。船員が彼らの職場である本船と居住地である本国との間を往来できるよう、IMOは加盟国に対して船員を「キーワーカー」に指定するよう要請することで直ちに介入しました。つきましては、船舶運航者は次のIMOの推奨事項に特別な注意を払うようにしてください。

 

世界中の政府が公衆衛生を保護し、新型コロナウイルス感染症に対処するための政策と対策を実施していますが、このような政策・対策は、運航や港湾業務(船員や海事職員の移動を含む)の妨げとならない形で進めていくことが重要です。2020年3月27日、IMOは「Preliminary list of recommendations for Governments and relevant national authorities on the facilitation of maritime trade during the COVID-19 pandemic(新型コロナウイルス感染症パンデミック時の海運業円滑化に関する政府・関連国家当局向け推奨事項暫定リスト)」と題したサーキュラーレターNo.4204/Add.6を発行し、その中で以下について触れています。

  • 港湾内のバースの利用
  • 港湾での乗組員交替を促進するための措置
  • 港湾(および関連)業務を促進するための措置
  • 港湾での健康を保護するための措置

国際P&Iグループも全面的に支持を表明している上記推奨事項は、この困難な状況の中、海運・港湾業務の円滑化に向けて、政府・関連国家当局が実用的・実践的アプローチを採用できるよう支援するものです。

国際海運業界がパンデミック期間中に直面している数々の難題の一つに、船員のために陸上での治療を手配することがあります。治療を受けさせるため船員を速やかに下船させることは、船員を守るためや公衆衛生のために非常に重要なことであり、地球規模のサプライチェーンの維持にとって致命的である。2020年7月1日付のCircular Letter No. 4204/Add.23はIMOがその点についてこれまで発行してきたガイダンスおよび海上輸送部門を代表する組織の横断によって発行された推奨事項を要約しています。

 

その他の海事業界向けガイドライン

 

船内における緊急時の手順を作成中の運航者、船長には、以下のガイドラインもあわせて参照することをお勧めします。

 

新型コロナウイルスの拡散の仕方、初期症状、取るべき予防策、誤った情報など、新型コロナウイルス関連のリスクを船員に周知することが非常に重要です。このため、以下のWHOのウェブサイトをご覧いただくことをお勧めします。

 

船内での評価と管理

Gardでは、船内の医療従事者を支援するために、船内での新型コロナウイルス感染症例の評価、管理を支援するためのシンプルなオンラインツールの開発に資金提供を行いました。このウェブページは、船舶と可動式海洋施設の医療責任者向けに、新型コロナウイルスの感染疑い例の評価、治療を支援することを目的としています。

こちらから COVID-19評価ツールにアクセス
上記リンクをクリックすると、Youwell ASが運営するウェブサイトに移動します(このサイトはGard ASやその子会社が所有、管理、運用しているものではありません)。このCovid-19プログラ
ムはGard ASが資金提供を行い、ハウケランド大学病院産業医学科ノルウェー海上・潜水医学センターが作成、提供するものです。Gardでは医学的アドバイスや治療の提供は行っておりません。Gardは、この第三者のウェブサイトで提供される情報やサービスに関して一切の保証も表明も行わず、同ウェブサイトのコンテンツ、サービス、プライバシーポリシー、手順を含め、同ウェブサイトへのアクセスまたは使用に関連して損害が生じた場合でも一切の責任を負いません。

Gard発行物

 

COVID-19検査の概要 / An introduction to testing for COVID-19HTML / PDF

新型コロナウイルス感染症の検査に関して Gard に寄せられたご質問に、ノルウェー海上・潜水医学センターの医師の協力を得てお答えします。

 

 

「船員と陸上職員が安全に接触するための新しいCOVID-19ガイドラインHTML / PDF

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが世界中の人々に影響を及ぼす今、船員と港湾で働く職員は、ウイルスにさらされることがないように、互いを保護することが重要です。

 

「パンデミック時における船員のメンタルヘルスの維持・改善方法HTML / PDF

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりにより、これまでに経験したことのない世界規模のロックダウンや厳しい渡航制限が実施され、数千人の船員が通常の勤務期間を超過する契約の延長を求められています。Gardシンガポールオフィスのロスプリベンションマネージャー、Kunal Pathakが、現在の厳しい状況下における船員のメンタルヘルスの維持についてお話しします。船長でもあるKunalは、原油タンカーやばら積み貨物船で12年の航海経験があり、船上での生活については高い見識を備えています。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とGard カバーに関するよくある質問HTML / PDF)」

過去数週間、私たち全員が目にしてきたとおり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる影響が世界の商業活動のあらゆる側面に及んでおり、状況も日々変化しています。それに伴い、メンバーの皆様からは、クラブの保険カバーに関して多数の質問が寄せられています。各ケースは具体的な事実を基に判断されますが、本稿では新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関係する可能性の高い項目を取り上げ、よくある質問への基本的な考えを示したいと思います。

 

船内での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応

多くの政府機関、業界関係者、医療専門家が、船内での新型コロナウイルス感染症の疑い例について運航者や船員向けのガイドラインを公開しています。こちらの記事では、その中の主な推奨事項をまとめています。

 

コロナウイルス船舶と船員への影響

重要な問題を列挙するとともに、警戒の維持、自己防衛の強化、新型コロナウイルスの蔓延防止のための、運航者、船長、船員の支援に役立つ助言を掲載しています。

 

パンデミック時のサイバーセキュリティ(HTML / PDF

 サイバー犯罪者は、 新型コロナウイルス感染症のパンデミックのような危機に乗じて様々な手口を繰り出してきます。こちらの記事では、サイバーリスク対策を船舶の安全管理システム(SMS)に組み込む方法と、船員の意識向上に向けたトレーニングの実施方法を説明しています。

 

休航と運航再開に関する検討事項(HTML / PDF

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、これまでに考えられなかった形で海運業界に影響を及ぼしており、一部の船主や運航者は、船舶の休航(レイアップ)の検討を余儀なくされています。保険に関しては、休航はリスクに変化をもたらすため、近く休航を開始予定の場合、計画の早期段階で、弊クラブに通知いただくことを推奨しています。

 

COVID-19 と英国法における不可抗力条項について(HTML / PDF

 Gard の FDD 弁護士に頻繁に寄せられている質問の 1 つが、新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミックに関し、各傭船契約の不可抗力条項は適用されるのか、という質問です。こちらの記事はHFW のパートナーである Brian Perrott 氏とその同僚の方々の見解をもとに作成しました。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19- 公衆衛生上の緊急

 こちらの記事では、船主の視点から見た傭船者との関係で想定される質問を列挙し、それに対する回答を掲載しています。  

 

船内向け新型コロナウイルス対策ポスター

 

 

BIMCO(ボルチック国際海運協議会)は、海運業界を支援する取り組みの一環として、船員と訪問者の保護に重点を置いた船内掲示用ポスターを無料で提供しています。ポスターは白黒で、印刷して船内の以下の推奨箇所に掲示できるようになっています。

 

  • 舷門の陸側(A3 / A4
  • 舷門の船側(A3 / A4
  • 宿泊施設内の様々な場所(A3 / A4

 

BIMCOから許可をいただき、ポスターを転載しています。